元国体選手で、卓球の大手問屋を経て、卓球場のオーナーとして活躍する宇田川貴文さん
東京都江戸川区に10年前にできた卓球場「T.T Labo」。代表を務めるのは宇田川貴文、60歳。卓球界では顔が広く、日本最大の卓球専門卸問屋「唐橋卓球」で31年間勤めた。 10周年を迎える「T.T Labo」は江戸川区卓球連盟の事務局も兼ねていて、代表を務める宇田川は関東一高時代には国体の少年男子の東京代表となり、2位になっている。駒沢大学に進み、前年まで大学の卓球部監督を務めていた唐橋卓球の先代社長・唐橋博氏に声をかけてもらい、入社。小売り、卸し(問屋)、営業など、ひととおり経験し、最後には会社の役員も務めた。また、「とんねるず」と「THE ALFEE」などを巻き込んだ90年代初頭の卓球ブームの時も裏方で支えていた。 「31年間、唐橋卓球で卓球界のいろいろな人に出会えたし、商売をしているお店との付き合いも深く、人のつながりも数多くできた。ありがたいですね。そして、今は地元の愛好者に楽しんでもらっています。これからも地元に貢献していきたい」と語る宇田川。 オープンの時から車椅子卓球の日本代表である渡邊剛(シスコシステムズ)が練習したいと言っていたので、マンションの玄関から卓球場までを段差なしのバリアフリーにした。卓球台も車椅子対応なので、聞きつけた区役所の人も見学に来るほどだ。 江戸川区卓球連盟の登録者は1100名を超える。大会の受付も兼ねる「T.T Labo」は、地元に愛される卓球場となっている。
[うだがわ・たかふみ] 1963年9月29日生まれ、東京都出身。関東一高、駒澤大に進み、高校時代は東京代表で国体2位。唐橋卓球で31年間勤務し、小売、外商、卓球ショップアドバイザーなどを経て、2014年に地元の江戸川区葛西に卓球場「T.T Labo」をオープン。東京都江戸川区卓球連盟副理事長